車両

2020年3月 3日 (火)

E8系はなぜ320km/hではなく300km/hどまりなのか?

お久しぶりの記事ですが、いいネタです。

https://www.jreast.co.jp/press/2019/20200303_ho01.pdf

少し前に噂されていた山形新幹線の新型車両(E8系)福島駅上りアプローチ線新設工事着工の正式プレスです。

山形新幹線の新型車両・E8系は7両編成(5M2T)は変わらず、先頭車のノーズは9mでE6系より4m短くされています。定員はグリーン車が増やされた一方で普通車は減らされ、355名(E3系に比べて39名減)となっています。2022年9月以降に落成し、営業運転は2024年春から開始、2026年春までに17編成落成、L51~55とL61~72すべて置き換える計画です。

福島駅の上りアプローチ線は、地上から勾配を登りながら新幹線本線をアンダークロス、道路をオーバークロスして福島駅上り11番線に進入していくというもので、工事延長は地上760m、高架橋540mの計1,300m、2026年度末の使用開始を目指しているとのことです。

まずはアプローチ線から。
輸送障害時のダイヤ復旧時間短縮が目的とされていますが、長年問題視されていた上り列車の平面交差支障が解消されるという点でかなり楽しみです。
何度か言ってますが、この福島駅の上り列車の平面交差支障により1時間中10分も取られてしまうのはデカい。実は東北・北海道新幹線のダイヤの制限がきつい要因はここだけではなくて、秋田新幹線区間や青函新在共用区間の介在もそうです。これまではダイヤの調整で何とか出来ていたようですが、大宮以南の130km/h化と最高速度360km/h化まで行うと、いよいよダイヤの調整がきつくなってくる、このうちどこを解消すれば最も確実で、かつかなりマシになるかといえば福島駅、ということなんでしょう。

E8系は、メカニズム的な情報は、全車フルアクティブサスペンションを入れること以外はわかっていません(インバーターの制御素子がIGBTのままなのかSiCとなるのかや、ベース車両が何なのか等)。上記の通り、E3系よりも定員が減っていますが、E6系よりもマシなレベルには抑えているところを見ると、先頭車のノーズによる定員減をできるだけ避けること、インバウンドなどが持ち込むやたらデカい荷物やバリアフリーへの対応などが考慮されてのものでしょうね。

それにしてもこのデザイン、エグいですね。あ、やっぱり「山形奥山カラー」はそのままやるんだ、というところです。ただ、ライトの位置は、E2系やE5系の運転室前面窓上部以外の位置にしようとすると、ああいう位置になるのはまあやむを得ないかな、と思います。カッコいいと思うかどうかは、今回は敢えて言いません。正直言って自分の感覚が迷っています(笑)

最大の疑問はE6系で山形新幹線内の走行試験を行ったのにもかかわらず、なぜ320km/hが最高速度にならなかったのか、という点。

それを考えるカギは、E8系の投入時期と福島駅上りアプローチ線の完成時期かと考えます。

ミニ新幹線用車両は高速走行と曲線走行は両立させるのが大変というのが定説ですが、福島駅上りアプローチ線というのは、急勾配をカーブしながら登るというかなり厳しい線形です。ただの私見に過ぎませんが、山形新幹線の線形と320km/h走行の両立がなかなか難しいこと、E6系をそのまま使うと定員減し過ぎること、300km/hと320km/hの時間短縮と車両製造費などが理由なのではないでしょうか?

また、福島アプローチ線の建設費の兼ね合いもあるかもしれません。

もともとJR東日本はE5系・E6系の時がそうだったように、高速化と費用対効果をバランスさせる傾向があります。おそらく320km/hと300km/hでは停車駅を考えると2~3分の短縮に過ぎないでしょうし、そう考えると敢えてE8系の最高速度を300km/hと設定したのは実にJR東日本らしいと思います。

何にしろ非常に楽しみな話です。まずはE8系の現車の登場、気長に待ちましょう。

| | コメント (0)

2019年10月14日 (月)

JR東日本の新幹線が水に浸かるリスクが高いのは、長野だけ!

昨日長野新幹線車両センターの浸水について述べましたが、今日はその続きです。

今日ニュースを見てみると結構水が引けたようで、半身浴状態だった車両の姿がハッキリ見えるようになってきました。とりあえずはよかったよかった。

一部報道では留置されていた10編成、ヘタしたら全部廃車じゃないか、という予測もありますが、仮に修繕をするとしても全般検査に匹敵する、あるいはそれ以上の規模での修繕となるでしょうね。私が昨日、白山や仙台に移動云々言ったのはこのためですが、電気・電子機器系はすべて交換でしょうし、かろうじて台車が使えるかどうか、台車も全てバラしてなどなど、考えるだけで気が遠くなりかけました。JR西日本の2015年度有価証券報告書によると、120両(10編成分)の製造費が約328億円との情報があることから、修繕費が1両あたり2億円程度かかってしまうようなら、解体費用のことも考えると、廃車にしてしまった方が早そうです。

長野新幹線車両センターは、ハザードマップで見ると氾濫流で家屋倒壊の恐れがあるとされているし、想定最大規模降雨(流域全体で2日間で396mm)にて10~20m未満の洪水による浸水の深さが予測されている場所に立地しています。
https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/330477.pdf

さて、じゃあ他地域はどうなんだ?ちょっと調べてみましょう。
まずは当blogにとって最もゆかりのある青森(盛岡新幹線車両センター青森派出所)から。

https://www.city.aomori.aomori.jp/koen-kasen/anzen-kinkyu/bousai-syoubou/documents/04_2_shinjo_amatanai.pdf
https://www.city.aomori.aomori.jp/kikikanri/anzen-kinkyu/bousai-syoubou/documents/tsunamihaza-domaptyuuou.pdf

盛岡新幹線車両センター青森派出所は標高5mいくかいかないかの場所に立地はしていますが、3.8~5.9m盛土がされていますので、基本的にはほぼ大丈夫と言っていいでしょう。

次に仙台新幹線車両センター(正確には宮城県宮城郡利府町、仙台市宮城野区、多賀城市)。ハザードマップに目を通した感じでは、こちらは砂押川が氾濫した場合で洪水は3m未満とのことですが、もともと3~5m盛土してあるので大丈夫でしょう

盛岡新幹線車両センター那須塩原電留線小山新幹線車両センターはまあ大丈夫、東京新幹線車両センターも一応大丈夫と、ハザードマップに目を通した限りではそうなってます。

結論としては、長野新幹線車両センターは今回のような洪水・河川(千曲川)の氾濫による車両センター水没のリスクと隣り合わせである、ということですね。
JR東日本は、また千曲川に氾濫されるとたまったもんじゃないでしょうから、千曲川の氾濫が予測されるほどの豪雨が起きた場合は、長野車両センターに車両の留置は絶対にやらないようにするため、長野、上越妙高、富山、金沢の各駅や、白山車両基地の滞泊あたりといった予防策を考えることになるでしょう

ちなみに、JR東海鳥飼車両基地は、付近の河川が氾濫すると周辺地区が最大5m程度水没するとされているので、ちょっとピンチになるかもしれませんね。

| | コメント (3)

2019年7月10日 (水)

この「貨物新幹線」案は「焼け石に水」感が漂う

ほんのちょっとビックリしました。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190710-00010000-doshin-hok

国土交通省が調査を進め、鉄道・運輸機構と検討チームを作って費用を算出しているそうですが、正直申し上げます。

 

こんなんじゃ焼け石に水だろうが!!!!

 

現在の旅客営業用車両の座席を全部無くしてパレットを積み込めるようにする、というもので、どうやら車両の基本的構造はあまり変えないようです。
一方で新幹線は高速で走行するために車体の重量増は避けなければならないなどの制約もあり、そのせいか今回挙げられたこの方式は、宅配便や小型貨物などに限り、重量物の輸送は想定していないようで、この方式が適用できるのは、通常の貨物列車に比べてわずか9分の1の重量でしかないようです。

一瞬、妄想を膨らませてガッツリ語ろうかと思いましたが、上記の規模では有力になるとは思えないのでやめときます。

国土交通省は2020年秋までに青函新在共用区間の貨物列車走行方式について目途を立てる方針のようですが、これも決定打にはなるとは思えません。

大丈夫なんでしょうかね?

| | コメント (0)

2019年5月19日 (日)

少し明らかになってきたALFA-Xの諸元

本日未明、ALFA-X(E956形)が新青森に初入線しましたね。報道によれば、330km/hを出したとか

私はと言いますと、5/18に別の目的で某書店に専門誌をチェックしに行ったところ、ALFA-Xの諸元が書かれていたものがあったので、早速購入。

これまでのプレスリリースでは明らかになっていなかったものがいくつか明らかになっていますが、この中で私が注目しているのは、

・オールM(全電動車編成)
・電動機(モーター)出力は記載なし
・温度仕様:-30℃~40℃

ですね。

あと、インターネットのニュースでは自動運転の支援やるぞ、とされていましたが、雑誌を読んでみたところでは「自動運転に向けて基礎的な研究開発も行えるようにしている」という表現をしており、実際に自動運転の試験を行うかどうかは直接的に表現されていない印象を受けました。

まずはオールMですが、JR東日本の車両としては本当に久しぶりですね。考えてみれば200系以来です。そもそも200系も2階建て車追加でオールMからT車を追加したりしてましたね。
話は戻りますが、最近の新幹線車両はM車でも十分静かなので次期標準車両はオールMでもいいでしょう。肝心のモーター出力の数字は載せられませんでした。まあE5系に搭載されているものをそのまま追加するだけで必要な動力性能は確保できるかもしれませんが、何しろトンネル内12パーミル連続上り勾配で360km/hの速度を維持できる動力性能がないといけません。E5系のモーター出力+8台だと余裕があるとはちょっと考えにくいなあ。必要に応じて載せ替えでもするんでしょうか?

さすが、と思わされるのが、「温度仕様」で、何とその差70℃!そりゃそうでしょうね。極寒の北海道から猛暑日の関東地方を連続的に走行するという走行条件なので、冷暖房の性能は相当に高くないといけません。

おそらくですが、時期が経てば試験の内容と結果について情報が出始めるでしょう。引き続き、要注目ですね。

| | コメント (1)

2019年5月 9日 (木)

ALFA-X報道公開~いよいよ試験走行開始!

ゴールデンウイークのまとめの前に、これに触れないわけにはいきません。

ALFA-X(E956形)が本日報道公開されました。

早速5/10の営業運転終了後から走り始めるとのことです。

車両の概要については今更感があるので省略しますが、広報はちのへによると八戸や新青森に来るのは5/18の予定のようです。

誰か、写真を撮ってネットにアップしてくれ~~~!

| | コメント (0)

2019年2月 8日 (金)

やっぱり長え~  ~ALFA-X10号車 報道公開~

本日、山口県下松市の日立製作所笠戸工場で、ALFA-Xの10号車が公開されました。

2018年12月に公開された1号車は、兵庫県神戸市の川崎重工兵庫工場で公開されましたが、それに続くものですね。

それにしても鼻の長いこと長いこと。ノーズ長22mなのは当然承知していましたが、真横から見ると、1両のちょうど真ん中付近に運転士が座る格好になるんじゃないですか?

それと、公開されている写真だけではわかりにくいですが、実際は先端から客室に至るまで、どういう形状をとっているか(すなわち断面積変化率を一定にしてトンネル微気圧波を防止するか)を早く見てみたいですね。

さて、完成は今年の春。組みあがった車両はどんなものになるのか、楽しみになってきましたよ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019年1月18日 (金)

青い森鉄道 千葉社長に物申す!~乗客を増やさなきゃいけない立場の人が、そんなこと言っていいのか?

そういうこと言うからダメなんだって!!

これが私がこの発言を聞いて思ったことです。

青い森鉄道の車両のうち、5編成の車輪に基準値越えの傷が発見されたことにより減便措置が取られています。

本日記者会見が開かれましたが、千葉社長、1/19~1/20のセンター試験への影響について、「心配した家族が自動車で送迎するだろうし、前後に列車があるから影響が少ないとおもう。」言い放ちやがりました

これって、「いやあ、うちらがトラブって止まっても自動車があるからいいじゃん」軽く考えていることが疑われる発言と思います。この発言、ちょっと騒がれてもいいような気がしますよ。

そもそも、青い森鉄道は、所有する車両が9編成しかなかったんじゃないか?このうち過半数である5編成の車輪に基準値越えの傷というわけですが、これ、問題を簡単に収めるわけにはいかないと思いますよ。

まずは傷の原因は何なのか?車両自体の問題なのか?路盤の問題なのか?いくつか原因が考えられますが、原因を特定し、再発防止をする・・・

当たり前のことですが、しっかりやっていただきたいですね。

それにしても千葉社長のある種の「やる気の無さ」が感じられ、なんか腹立つ会見内容ですわ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019年1月 2日 (水)

N700Sで360km/h!!・・・でも当然、米原-京都間でしょ?~N700Sの試験走行

2019年のご挨拶に続き、新幹線ネタでまともなことを書くとすれば、やっぱりこうなります。

JR東海がN700Sの走行試験で360km/hに挑戦、これを2019年内に実施すると報じられました。昨今、新幹線というシステムを海外に輸出する動きがあり、その一環としてかつてN700で330km/hの走行試験を実施したことはありますが、これと同じ考え方でしょう。

JR東海の試験列車の最高速度としては、955形(300X)が米原-京都間で443.0km/hをたたき出してますが、あれは純粋な試験車両。営業用車両系式としては、N700系Z0編成の332km/hが現在最速ではなかったかしら?

あ、そういえばJR東日本では、E954・E955形(Fastech360)では東北新幹線上での試験走行で、最高速度は400km/hに届かなかった(無理して出さなかった)といわれていますが、今回はどうするんでしょうか?

話は戻って、試験走行でそのスピードを出せる区間は955形にしろN700系Z0編成にしろ、米原-京都間で出したわけで、当然計画されている走行試験も360km/hはこの区間でないと出さないでしょう。東海道新幹線はR2500のカーブが前線の3分の1の距離にも及ぶため、高速走行できる区間が相当に限られ、ハッキリ言ってここでしか高速ではブッ飛ばせない、とまで思われています。まあそれはそれでいいんです。

諸外国へ高速鉄道を売り込むには高加速・高減速を安定的にできることや安全性などを証明するステージがあればいいわけです。

鉄道の高速化の肝は、最高速度を出せる区間の距離をできるだけ長く採ることにありますが、諸外国に対してこの点をうまく論理的にフォローしながらやっていくんでしょう。

ALFA-Xだけではなく、是非とも注目したいところです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月 8日 (月)

今更ながら、プレスの内容について述べてみる~新幹線試験車両 ALFA-X

完全に話題に乗り遅れていますが、新幹線ネタのうちで好みのものなので、触れないわけにはいきません。

ALFA-Xのデザイン発表についてです。

http://www.jreast.co.jp/press/2018/20181003.pdf

これを見たうえで私個人の感想を・・・。

1号車はE5系の15mより1m長いだけにしていますが、前照灯は連結器面よりも下の位置に収めているのが特徴ですね。
ボディの造形はE5系のものをベースにエッジを効かせた、という印象です。

ふと思ったんですが、降雪地帯を爆走する新幹線車両の前照灯の位置、あんなに低くていいの?あ、台車の前につけるからいいのか?

10号車は、先頭部20m座席列3列ですか(笑)
かなり思い切ってると思わされます。前照灯の位置はE6系と雰囲気が似ていますが、私はE2系やE5・H5系の前照灯の位置はあまり好みではないのでちょっと安心。

共通する特徴として、1号車と10号車ともに、連結面側のドアを省略している、というのがあると思います。号車定員そのものが少ないのでドアの部分を削り、先頭形状の延長に充てたんでしょう。これは量産系列に反映してもいいような気がします。
ただ、10号車はともかく、1号車のXのラインの付け所、もうちょっと何とかならんのですか?

また、乗務員室扉の個所はN700系以上に先頭形状に食ってきており、乗務員はちょっと手を伸ばしてドアを開けることになるんでしょうね。

屋根の部分を見ると、空力抵抗版ユニットを千鳥配置しており、さらに抵抗版の開閉方向も逆にしています。なんとなくの想像ですが、これは故障への対策なんでしょうか?気になるのは客室内のスペースにどれだけ食ってくるかですね。

台車モニタリング装置については、JR西日本所属のN700系で重大インシデントをやらかしたからというわけでもないんでしょうが、これはこれから新規製造する新幹線には標準装備させてもいいんじゃないでしょうか?

動揺防止制御装置と上下制振装置、車体傾斜装置については、E5系の空気ばねだけによるものではおそらく制振しきれないという判断でしょう、縦方向にダンパーがやはり付けられるようです。

パンタグラフは2種類、ヒンジが露出しているものとカバー内に入れるものですが、JR総研(鉄道総合技術研究所)で研究開発中で論文を出している、「多孔質材の貼付」ってやらないんでしょうかね?

プレスに載ったすべての項目について述べているわけではないですが、登場が楽しみです。ミニ新幹線バージョンの車両(E957形?)の登場の有無も含め、引き続き期待しましょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年8月13日 (月)

ALFA-X、やっぱりミニ仕様も造る?っていうか造っちゃいましょうよ!

今日も仕事が休み~ではありますが、資料を作らねばならず、ついでにネットをダラダラ見ていると・・・。

https://toyokeizai.net/articles/-/233036

こ~んな記事が。

内容的には既視感が漂っていますが、注目点はJR東日本の川野副社長が新在直通用ALFA-Xの製造を検討している旨の発言をしていることです。

そりゃそうでしょう。速達列車が欲しいのは、秋田方面だって同じですからね。

まあマジメな話、技術的にも新在直通用車両に求められる性能は、高速性能と曲線通過性能という、相反する性能をいかに両立させるかで決定づけられる、というのがE955形の試験結果で明らかになっており、E955形から10年以上経って今度はどうか、というのは実車を使わないとわからないでしょう。

また、騒音対策についても、フル規格車両より新在直通用車両の方が難しいので、この点でも研究された技術がどれだけ使い物になるか、の検証はやっぱり必要です。

そういうわけで、私は新在直通用ALFA-X、実に楽しみにしています。

早いところ正式発表してくれないかな?

| | コメント (2) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧