« 2017年6月25日 - 2017年7月1日 | トップページ | 2017年7月9日 - 2017年7月15日 »

2017年7月2日 - 2017年7月8日

2017年7月 6日 (木)

ALFA-Xによる今後の高速化を勝手に予測する~東北・北海道新幹線

今回は、前回記事の続きのようなものです。

ALFA-Xは現在のところフル規格の10両編成のみではありますが、前回の記事の結びでも述べたように、新在直通形のE957形(?)が約1年後にひょっこり出て来やしないだろうか、とちょっと期待してみています。

せっかく360km/h化してもその本数が少なすぎれば効果半減ですからね。

ただ、忘れてはいけないのは、新幹線の騒音対策はフル規格編成に対して最大の性能を発揮するように設計されており、車体断面積が小さいミニ新幹線は実は不利であること、高速走行と在来線の急曲線走行の両立は結構難しいことです。しかもこれらはJR東日本がテクニカルレビューで述べている内容で、我々一般人でも簡単に知ることができます。

ともあれ、東北新幹線で360km/h化を目指すのはハッキリしたわけですが、360km/h走行できる区間は限られます。東北・北海道新幹線にはいくつかの理由で速度制限が掛かっている区間があるわけです。

ちょっとお浚いしましょう。

(現在)
・東京-大宮間(31.3km):110km/h
・大宮-宇都宮間(77.7km):275km/h
・宇都宮-盛岡間(387.5km):320km/h
・盛岡-新青森間(178.4km):260km/h
・新青森-新中小国信号所間(28.9km):260km/h
・新中小国信号所-木古内間(84.4km):140km/h
→青函トンネル内(53.9km)のみ160km/h化されそう
・木古内-新函館北斗間(35.5km):260km/h

現在は上記のようになっており、北海道新幹線新中小国信号所-木古内間は数年内に260km/h走行を目指すことにはなっています。

交通機関の高速化は、単に最高速度を上げればいいというものではなく、実は高速化した速度を走行する距離をどれだけ長く採れるかの方が重要となります。東北・北海道新幹線の場合、高速走行区間の線形自体は恵まれてはいますが、逆に東京-大宮間はほとんど高速化しようもなく、大宮-宇都宮間といわゆる整備新幹線区間は線形とは異なる理由で速度が制限されています。わかっている限りで
1:騒音規制:Ⅰ類型(70dB以下)
2:整備新幹線建設規格
(最高速度260km/h走行を前提に建設。上記騒音規制もあり)
がその理由です。
http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kankyo/kankyo/files/H28_shinkansen_sound_tohoku.pdf
http://www.env.go.jp/press/files/jp/104569.pdf
(とりあえず整備新幹線区間の騒音基準はかなりの割合でⅠ類型とされているソースにはなるでしょう)

これら相反する条件を基にするといくつかパターンが考えられますが、私個人で2パターンを考えてみました。

①厳しめ予想
・東京-大宮間(31.3km):110km/h
・大宮-宇都宮間(77.7km):300km/h
・宇都宮-盛岡間(387.5km):360km/h
・盛岡-新青森間(178.4km):300km/h
・新青森-新中小国信号所間(28.9km):300km/h
・新中小国信号所-木古内間(84.4km):260km/h
・木古内-新函館北斗間(35.5km):300km/h
・新函館北斗-札幌間(211.5km):260km/h

②個人的好みに基づく予想
・東京-大宮間(31.3km):110km/h
・大宮-宇都宮間(77.7km):300km/h
・宇都宮-盛岡間(387.5km):360km/h
・盛岡-新青森間(178.4km):320km/h
・新青森-新中小国信号所間(28.9km):320km/h
・新中小国信号所-木古内間(84.4km):320km/h
・木古内-新函館北斗間(35.5km):320km/h
・新函館北斗-札幌間(211.5km):300km/h

宇都宮-盛岡間は文句なく高速化するとして、E2系・E3系からE5系・E6系での高速化のように、大宮-宇都宮間も環境基準を現状非悪化を条件に高速化、さらにもともと大宮-宇都宮間と整備新幹線区間とでは速度差が現状で15km/hしかないので、これを機に整備新幹線区間も同様の条件で同じ速度へ高速化する、というのが基本的な考え方です。

②の盛岡-新青森-新函館北斗間の320km/hというのは、E5系により盛岡以北で320km/h走行試験を行ったことを考慮してのものです。

東京-新青森-札幌間の総距離は約1035kmですが、360km/hで走行できる距離は4割にも満たないので、他区間も高速化しないとやはり効果が十分に出ません。いい加減整備新幹線区間を260km/hよりも高速化に本腰を入れていただこうじゃないですか。
(↑ただし、これも国が許してくれないといけない!)

さて、他のネタを放っておいて東北・北海道新幹線の高速化についての話をしてみましたが、皆さんのお考えや如何に?

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2017年7月 4日 (火)

ALFA-X登場!~次世代新幹線試験車両

おいおい、いきなりですか!

いや、少し前にそれを匂わせる情報は流れてたから、びっくり仰天ってわけでもないけど。

http://www.jreast.co.jp/press/2017/20170705.pdf

次世代新幹線の試験車両新造についてのプレスリリースです。

形式は当然E956形となりまして、フル規格の10両編成ですが、愛称が

ALFA-X(アルファエックス)
Advanced Labs for Frontline Activity in rail eXperimentation「最先端の実験を⾏うための先進的な試験室(⾞)」の意)

だそうで、2019年春に落成予定とか。

前回の試験車両、E954形・955形と比較しながら述べていきましょう。

まず、E954形は8両編成でしたが、今回はいきなり10両編成。試験車両と言いながら、E954形よりさらに現実性が高い印象があります。JR東海のN700Sの「確認試験車」みたいなもんでしょうか?何故いきなり10両編成としたか、そのうち雑誌やテクニカルレビューなどで触れられるでしょうから、理由を見逃さないようにしたいですね。

先頭形状は、E954形と同様、2タイプ用意して比較検証されるようです。ただ、E956形のBタイプは恐らく左右方向にかなり「絞り」を設けているのでは、と思われます。トンネル微気圧波対策において、台車周りの幅は変えられないからどこで断面積変化率を一定に保つかと言えば、台車の上にあたる箇所を左右に絞る、ということになるんでしょう。

気づかない方が多いかもしれませんが、E5系もよく見ると台車の上にあたる箇所は左右に少し絞られています

話は戻り、「別紙1」には研究開発コンセプトが示されていますが、キモとしてはIT技術と押し出しているように見えます。
それに加えてかつての試験車2タイプ(形式は4形式)にもコンセプトは設けられていて、ALFA-Xなりの価値を出しているようです。

ここを見てわかったんですが、E954・955形は、結局400km/h越えをさせなかったんですね。

別紙2には試験車の特徴を示しています。

この中で目を引いたのは(2)の快適性。
360km/h営業運転の可能性を技術的に検証するとされており、動揺防止制御装置について図解されています。

これまでは空気バネへのエアの出し入れの制御でしたが、ALFA-Xは縦方向にダンパー(オイルダンパーでしょうかね?)がつけられるように解説されています。

エアのみの制振方式では、わずかに必要性能を満たさないということでしょうか。

また、意外とクローズアップされていませんが、騒音低減をどうやるか、というのも見逃してはいけません。E954形・E955形のテクニカルレビューには車体下部の騒音に着目し、今後の騒音低減のポイントとなる内容を記していたと記憶していますが、これを本格的に試験すること、パンタグラフの低騒音化を具体的にどうやるかはやっぱり注目です。また、在来線車両ではVVVFの制御素子としてIGBTからSiCに変わりつつありますが、やっぱりALFA-XではJR東日本の新幹線形式(「系式」じゃないっす)で初めてSiCを採用するんでしょうかね。

さて、今回のプレスはあくまでALFA-Xの車両ついての話が中心ではありますが、気になることも。

現時点では、地上設備をどうするかが述べられていません。

鉄道は車両だけ高性能であればいいってもんではなく、電気、地上設備、保安設備など、いろいろな要素の底上げが図れて高速化できる、というのが私たちも認識すべき事実。

追加情報で待ちたいのは、
・トロリ線をどうするか
・大宮-盛岡間のカントをどうするのか
・盛岡以北での最高速度をどのくらい目指すのか

などです。

少々解説してみます。
トロリ線は大宮-盛岡間で採用されているヘビーコンパウンドカテナリの硬銅トロリ線またはSNトロリ線の限界速度は320km/h程度と言われている一方、東北新幹線八戸-新青森間以降の整備新幹線のトロリ線はPHCトロリ線が主流になっており、これがさらに張力次第では360km/hも対応可能と言われています。八戸以南もトロリ線のPHC(他の材質でもいいかもしれませんが。ちなみに盛岡-八戸間はシンプルカテナリのCSトロリ線)化をするのかには個人的にまず注目。
カントについては、整備新幹線区間はR4000カーブで200mm付けられていますが、盛岡以南は155mmのまま。直線で360km/h出すjとしても、これまでの技術では車体傾斜を使用してもR4000カーブ155mmカントではまず速度制限されます。このALFA-Xあるいはこの営業車両形式での360km/h走行に向けて、カントをそろえるか車体傾斜角を盛岡以南と盛岡以北で設定を変えるか、かつ速度制限を課さないようにするのか、に注目したいですね。
360km/hを安定的に走らせるには、結構地上設備にも手を入れないといけないというのが、前回のE954形・E955形の試験で導いた結果だからです。

いろいろ考えどころもありますが、純粋にALFA-Xの登場を、楽しみに待ちましょう。

最後に、なんとなーくですが、JR東日本が最初に造った試験車両は952・953形(STAR21)で1992年登場、次にE954・E955形(FASTECH360)で2005年登場、そして今回のE956形(ALFA-X)は2019年落成予定と、JR東日本の試験車両は13年~14年ごとに登場しています。

さらに次の試験車は2032年?

あ、あとALFA-Xの新在直通バージョンのE957形は出ないんですか?

| | コメント (3) | トラックバック (0)

« 2017年6月25日 - 2017年7月1日 | トップページ | 2017年7月9日 - 2017年7月15日 »