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2017年7月 4日 (火)

ALFA-X登場!~次世代新幹線試験車両

おいおい、いきなりですか!

いや、少し前にそれを匂わせる情報は流れてたから、びっくり仰天ってわけでもないけど。

http://www.jreast.co.jp/press/2017/20170705.pdf

次世代新幹線の試験車両新造についてのプレスリリースです。

形式は当然E956形となりまして、フル規格の10両編成ですが、愛称が

ALFA-X(アルファエックス)
Advanced Labs for Frontline Activity in rail eXperimentation「最先端の実験を⾏うための先進的な試験室(⾞)」の意)

だそうで、2019年春に落成予定とか。

前回の試験車両、E954形・955形と比較しながら述べていきましょう。

まず、E954形は8両編成でしたが、今回はいきなり10両編成。試験車両と言いながら、E954形よりさらに現実性が高い印象があります。JR東海のN700Sの「確認試験車」みたいなもんでしょうか?何故いきなり10両編成としたか、そのうち雑誌やテクニカルレビューなどで触れられるでしょうから、理由を見逃さないようにしたいですね。

先頭形状は、E954形と同様、2タイプ用意して比較検証されるようです。ただ、E956形のBタイプは恐らく左右方向にかなり「絞り」を設けているのでは、と思われます。トンネル微気圧波対策において、台車周りの幅は変えられないからどこで断面積変化率を一定に保つかと言えば、台車の上にあたる箇所を左右に絞る、ということになるんでしょう。

気づかない方が多いかもしれませんが、E5系もよく見ると台車の上にあたる箇所は左右に少し絞られています

話は戻り、「別紙1」には研究開発コンセプトが示されていますが、キモとしてはIT技術と押し出しているように見えます。
それに加えてかつての試験車2タイプ(形式は4形式)にもコンセプトは設けられていて、ALFA-Xなりの価値を出しているようです。

ここを見てわかったんですが、E954・955形は、結局400km/h越えをさせなかったんですね。

別紙2には試験車の特徴を示しています。

この中で目を引いたのは(2)の快適性。
360km/h営業運転の可能性を技術的に検証するとされており、動揺防止制御装置について図解されています。

これまでは空気バネへのエアの出し入れの制御でしたが、ALFA-Xは縦方向にダンパー(オイルダンパーでしょうかね?)がつけられるように解説されています。

エアのみの制振方式では、わずかに必要性能を満たさないということでしょうか。

また、意外とクローズアップされていませんが、騒音低減をどうやるか、というのも見逃してはいけません。E954形・E955形のテクニカルレビューには車体下部の騒音に着目し、今後の騒音低減のポイントとなる内容を記していたと記憶していますが、これを本格的に試験すること、パンタグラフの低騒音化を具体的にどうやるかはやっぱり注目です。また、在来線車両ではVVVFの制御素子としてIGBTからSiCに変わりつつありますが、やっぱりALFA-XではJR東日本の新幹線形式(「系式」じゃないっす)で初めてSiCを採用するんでしょうかね。

さて、今回のプレスはあくまでALFA-Xの車両ついての話が中心ではありますが、気になることも。

現時点では、地上設備をどうするかが述べられていません。

鉄道は車両だけ高性能であればいいってもんではなく、電気、地上設備、保安設備など、いろいろな要素の底上げが図れて高速化できる、というのが私たちも認識すべき事実。

追加情報で待ちたいのは、
・トロリ線をどうするか
・大宮-盛岡間のカントをどうするのか
・盛岡以北での最高速度をどのくらい目指すのか

などです。

少々解説してみます。
トロリ線は大宮-盛岡間で採用されているヘビーコンパウンドカテナリの硬銅トロリ線またはSNトロリ線の限界速度は320km/h程度と言われている一方、東北新幹線八戸-新青森間以降の整備新幹線のトロリ線はPHCトロリ線が主流になっており、これがさらに張力次第では360km/hも対応可能と言われています。八戸以南もトロリ線のPHC(他の材質でもいいかもしれませんが。ちなみに盛岡-八戸間はシンプルカテナリのCSトロリ線)化をするのかには個人的にまず注目。
カントについては、整備新幹線区間はR4000カーブで200mm付けられていますが、盛岡以南は155mmのまま。直線で360km/h出すjとしても、これまでの技術では車体傾斜を使用してもR4000カーブ155mmカントではまず速度制限されます。このALFA-Xあるいはこの営業車両形式での360km/h走行に向けて、カントをそろえるか車体傾斜角を盛岡以南と盛岡以北で設定を変えるか、かつ速度制限を課さないようにするのか、に注目したいですね。
360km/hを安定的に走らせるには、結構地上設備にも手を入れないといけないというのが、前回のE954形・E955形の試験で導いた結果だからです。

いろいろ考えどころもありますが、純粋にALFA-Xの登場を、楽しみに待ちましょう。

最後に、なんとなーくですが、JR東日本が最初に造った試験車両は952・953形(STAR21)で1992年登場、次にE954・E955形(FASTECH360)で2005年登場、そして今回のE956形(ALFA-X)は2019年落成予定と、JR東日本の試験車両は13年~14年ごとに登場しています。

さらに次の試験車は2032年?

あ、あとALFA-Xの新在直通バージョンのE957形は出ないんですか?

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コメント

札幌延伸時の旅客の大部分は、札幌と仙台以南を移動する人が占めることになると思われますので、今の最高時速320kmでは飛行機と勝負できないでしょう。その面で最高速の向上はある意味必須であり、逆に言えばこれをやらないってことはJR東日本が北海道新幹線を収益源として捉えていないことを意味するわけですから、正直、北海道出身者としてリリースが出てかなりほっとしました。

時速360kmでの運転、騒音低減(もちろん安全も)というのは最優先ですが、この新幹線が1日1本とか2本とか運行されてもまったく意味がないわけで、東海道(までとはいかないでしょうが)が繁盛期にのぞみを1時間で10本運転しているように、1時間に1本ないしは2本、安定して輸送することが求められるでしょう。そういった面でIT技術の活用による検査のコストダウンと確実性の向上、輸送の安定が必須となるわけで、地味ではありますが、こちらの進展が実現の鍵になるように思います。

投稿: イエロー | 2017年7月 5日 (水) 02時43分

新在直通車については、在来線特急車両の開発においてTRY-Z以降試作車を造る事はなく、新幹線と通勤型の技術の寄せ集めになっていったように、動力性能についてはこれ以上上を目指すつもりがないのかもしれません。寂しいですが。
併結列車は盛岡以南320km/h、現はやぶさ5,11,34号のような単独列車のみ全区間360km/hと。

>鉄道は車両だけ高性能であればいいってもんではなく、
北海道の気動車特急群の末路を見ると痛いほど分かります(苦笑)
地上側の改修については、今回は整備新幹線区間での高速化が主になるので(260km/h縛りが解除されないなら盛岡~宇都宮だけ360km/hにしても殆ど意味ないですし…)、E954,E955形の時とはやるべきことも変わってくるでしょうね。
着雪対策ということで道央の雪も視野に入れてるようですが、JR北海道区間での走行試験がどの程度行われるかも気になるところです。

投稿: パキラ | 2017年7月 5日 (水) 20時09分

>イエロー 様
コメントありがとうございます。

札幌と仙台以南云々については、高速化できる区間とその速度がカギになる、
と私は思っています。
詳しくは本文記事をどうぞ。


>パキラ 様
お久しぶりです。
コメントありがとうございます。

新在直通車(E957形?)については、私は1年とかそのくらい後に
ちゃっかり登場しやしないか、と期待してみています。
確かに現段階では東北・北海道新幹線の最速列車はE5系単独走行ですが、
車両の運用を考えると非効率な面が出てくるのではと思うので。

パキラ様は整備新幹線区間の高速化が主になる、と仰っていますが、
私もそこに期待はしています。

青函共用区間はさすがに最高速度で突っ切るというわけにいかないとしても、
盛岡以北を320km/h化、あるいは300km/h化するだけでも
結構効果は出ると思いますね。
今後の高速化の予測を本文記事にしてみますね。

投稿: 青湘遊郎 | 2017年7月 6日 (木) 10時18分

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