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2010年11月21日 - 2010年11月27日

2010年11月26日 (金)

PHCトロリ線とは?

前回はこれから開業していく区間に張られているトロリ線はPHCトロリ線と述べました。今回はこれについて自分で調べてお勉強してみましたので、その内容を述べてみます。

まずは架線方式から。
いくつかの方式のうち、「カテナリ(懸垂)方式」ってのを採用してます。
カテナリ方式のうち最も多く使用されているのはシンプルカテナリと言われている方式ですが、上から、

1:吊架線-トロリー線を吊るすための線

2:トロリ線パンタグラフに直接接触し続け、電車に給電する線。本日のテーマとなるものです。

3:ハンガー-吊架線からトロリ線を吊して支える金属線

という構成です。
東北新幹線に使用している方式は次の通りです。

・ヘビーコンパウンドカテナリ
 盛岡以南の高速走行区間に採用。吊架線、トロリ線のほか、補助吊架線もあり、これらで構成。「ヘビー」なのはこの3種類の線を太くし、張力を高めているから。

・シンプルカテナリ
 盛岡-新青森間と盛岡以南の低速走行区間(副本線など)に採用。

この2つの方式を使っています。ちなみに、東海道・山陽新幹線と上越新幹線ヘビーコンパウンドカテナリ北陸新幹線高崎-長野間九州新幹線新八代-鹿児島中央間シンプルカテナリです。

ヘビーコンパウンドカテナリ方式で使用されたトロリ線はSN(錫入り銅)トロリ線で、北陸新幹線高崎-長野間からの整備新幹線のトロリ線と言えば、これまでは「CSトロリ線」でしたが、今後は「PHCトロリ線」を標準としていくようです

前置きが長くなりましたが、CSとPHCの違いについて述べていきます。
CSとはCopper Steel銅被覆鋼のことで、高張力の性能確保のため鋼の周りを硬銅で覆う造りになっています。つまり、2種類の金属を使っているわけですが、そのせいでリサイクルが難しく、取り外したものは産業廃棄物として処理するそうです。そこでCSトロリ線と同等の性能とリサイクル性を求めPHCトロリ線が開発されました。PHCとはPrecipitation Hardening Copper析出硬化銅のこと。

ちなみに、「析出硬化(処理)」ってどういうことなのかが解らなかったので調べてみました。
解りやすく言うと、熱処理によって金属(合金)が溶解され混ざり合った後、時間の経過(自然な冷却)によって固体化(析出)してきますが、これを人工的に行うことらしいです。

PHCトロリ線は銅合金できてますが、約95.5%が銅なのでリサイクルが容易、つまり経済性に優れると言うわけです。

高速性能については、CSトロリ線は300km/h程度の性能とされていますが、PHCも同等の性能を有します。また、FASTECH360で盛岡-八戸間のシンプルカテナリCSトロリ線使用区間で「ひずみ」が大きくなり集電性能上の課題を残しましたが、これへの対策案の1つとして疲労特性にも優れるPHCトロリ線の使用が挙げられています

以上から、このことからリサイクル面でも高速性能面でもCSよりも優れていると考えられているようで、北海道新幹線にもこれを使用していくと思われます。

じゃあ盛岡以南はどうなるんだ?といえば、カテナリ方式やトロリ線の材質変更をせず、これまでのヘビーコンパウンド架線・径170m㎡SNトロリー線の張力を上げて320km/hへ対応させるそうです。

PHCトロリ線は、理論的にはヘビーコンパウンドカテナリ方式よりも高密度高速性能面で劣るシンプルカテナリ方式へのフォロー的役割を担うものという考え方から来るものなのでしょうが、こういうところには何とも「やらなくてもいいことはやらない」、JR東日本らしさが見えますね。

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2010年11月24日 (水)

ぼちぼち出始めている開業版の路線概要

最近ぼちぼち書店に行くようになっている青湘遊郎です。

何でかって言うと、東北新幹線八戸-新青森間と九州新幹線博多-新八代間の開業が迫り、雑誌に色々情報が載り始め、その中には建設路線の詳細も記されているものがあるからです。

ざっと雑誌を見ている中、東北新幹線八戸-新青森間だけではなく、北陸新幹線長野-金沢間と九州新幹線博多-新八代間の概要が載ってたので、「鉄道と電気技術」誌2010年10月号を購入。

その中で目を引いたのが、

・本線のトロリ線はPHCシンプルカテナリ
・北陸新幹線の信号設備は、電源同期式60HzDS-ATCを予定しており、さらに東京-金沢間のDS-ATC化を実施
・九州新幹線新八代付近は、博多-新八代間開業後も新八代付近で速度制限が掛かる

まずトロリ線のことについては次回述べるとして、東京-金沢間っていうのは高崎-金沢間の間違いでしょう。ただ、ここだけ見ると高崎-長野新幹線車両センター間もDS-ATC化されるのかと思わされますね。
また、新八代駅構内の改良については、この付近で速度制限が掛かるのは、終点側に「振分け分岐器」(対面乗り換えを可能にするために設置していた)がありますが、現在の「対面乗り換え」で確立されている旅客の利便性を最優先して、線路切り替えを先送りしたためだそうですが、個人的には意外でした。

また、東北新幹線八戸-新青森間の線路概要がある程度細かく載っていたことや工事概要も詳しく載っていたことなどがあり、鉄道ダイヤ情報2010年12月号も購入。

ちょっと「あれ?」って思ったのが、細越トンネルのR3500カーブに付けられたカントと三内丸山橋梁(架道橋)付近のR3500カーブのカントが違うこと。前者は200mm確保としてますが、後者は160mmとなぜか違っています。ただ、別の雑誌に後者のカーブはR3600という記述もあり、正確な情報を得たいところです。

雑誌でも新聞記事でもそうですが、意外に情報ソースによって細かいところでの情報に違いがあります。こういうのを見つけるのって結構楽しかったりしますが、皆さんは如何でしょうか?

話が逸れましたが、次に買うのは鉄道ジャーナル・鉄道ファンあたりかな?

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