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2008年7月13日 - 2008年7月19日

2008年7月19日 (土)

こっちは合理的コスト削減

前回は青函間は特殊な事情があるから駅を16両対応にしないのはケチりすぎという意見を述べ、整備新幹線のコスト削減策を駅ホーム長に関して挙げましたが、今回は納得できるコスト削減策をざっとおさらいします。

まず、駅部。これまでは本線の外側に停車線(副本線)、それに面して相対式または島式ホームという構造を標準とされていましたが、北陸(長野)新幹線からはこれを簡素化。本線に直接面してホームドア付きホームをつける駅を標準としました。

続いて、線形。基本的にはカーブR4000、勾配15‰とするのは変わりませんが、必要に応じてR4000以下のカーブをつくったり、北陸に30‰連続22km勾配、九州と北海道の一部に短距離の35‰勾配をつくるなど、状況によって規格外の線形を容認しています。まあ、九州の筑紫トンネルの35‰のように地下水脈への影響を少なくするためなどの理由もあったりしますが。

トンネルが多用されているのも整備新幹線の特徴。また、従来の断面積64㎡から2㎡縮小して62㎡としています。トンネル多用は地形の問題もそうですが、用地買収を避けて時間・コスト・手間を省くという目的もあります。私が八戸-新青森間のトンネルを見て気付いたのは、低土被り(地下に施工する構造物の天端から地表面までの土砂の厚さが薄いこと)のトンネルがやたらに多いことですね。

軌道はスラブ軌道を中心とするのは山陽・東北(盛岡以南)・上越と変わりませんが、やむを得ない箇所以外では地平構造としているため、スラブ軌道用RC(Reinforced Concrete=鉄筋コンクリート)路盤を開発・採用したり、軌道スラブ板の幅12cm縮小、「枠型スラブ」を開発・採用するなど、コスト低減に努められました。

また、架線も低コスト化が図られ、ヘビーコンパウンドカテナリ式からシンプルカテナリ式にしています。ただ、採用しているCSトロリー線(トロリー線とは、パンタグラフと直接接触している線のこと)というのがなかなか優れモノで、360km/h走行にも耐えられます。

今日は少しだけ専門的に踏み込んだ話になりましたが、いろいろ出てくるコスト削減策も面白いものではないでしょうか。新幹線を造る財源にも限りってモノがありますからね。

本日の写真は、トンネルの低土被りが目立つものを。

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松森トンネルです。奥が新青森方面、手前方向が横内トンネル・八戸方面です。このトンネル、土被り2~5mと極端な薄さに驚かされますね。3年前に特集記事が某新聞に載ってましたが、やはり結構工事が難しかったようです。

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2008年7月18日 (金)

ケチりすぎじゃないの?

整備新幹線というのは、かつての旧国鉄時代の過剰投資への反省から、かなりのコスト低減策が採られています。

東北新幹線の盛岡以南や上越新幹線では高架橋を多用し、途中駅も通過線がある長さ410m(フル規格編成16両編成対応)のホームが標準(2面4線か2面5線かは駅によって異なる。また、いわゆる「請願駅」を除く。)だったのに対し、北陸(長野)新幹線以降の整備新幹線区間では切取・盛土区間の比率を高め、途中駅も本線に直接面した2面2線(いわゆる棒線駅)を多用してホーム長もいわて沼宮内、二戸、八戸の各駅の場合は100m短くして310mとしています。九州新幹線も概開業区間(新八代-鹿児島中央間)で8両編成対応です。

さて、七戸(仮称)駅、新青森駅は、いわて沼宮内-八戸の各駅に比べてさらにホームが50m短い260m(10両編成対応)となる模様です。ただし、新青森駅近くの工事現場に掲示されていた「新幹線新青森新聞」によると、路盤(高架橋)だけは310mホームに対応することが出来るような旨の図面がありました。

この情報を知って一言要望を述べると、10両編成対応ホームで開業するのは当然の判断ですが、新青森-新函館間は本数の制限が恐らく全国で最も厳しいから、16両編成対応の余地を残して欲しかったですね。本数を多く走らせることが出来ないなら増結で輸送力増強をしなければなりませんからね。確かにここの区間だけ見ると需要は相当少ないんですが、特殊な事情によって毎時何本走らせられるか分からない区間に対していくらなんでもケチり過ぎって気がします。ホーム410m化は高架駅である新青森駅なんかかなり大変ですからね。

ちなみにあまり知られていないかもしれませんが、新青森駅近くに建設中の新幹線車両基地も、当初は今の位置ではなく、もっと北側に建設される計画だったとのことです。これも16両編成対応を思い切って止めたことによる位置変更と思われます。

それ以外にもコスト削減策はありますが、それは次回にでも・・・。

さて、本日はこちら。

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七戸(仮称)駅です。すぐ西側の真新しい跨線橋から撮影。奥が八戸駅方面。横切る跨線橋は国道4号です。5月にこれを撮ったとき天候が悪く、回復を待ったんですが結局ダメでした・・・。この時は駅舎が未着工だったので国道4号まで見渡せましたが、駅が完成すると多分国道4号の跨線部が見えなくなるでしょう。

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2008年7月15日 (火)

撮影していると気付くこと

今、私が使ってるデジカメは、光学ズームの倍率が高いモデルです。せっかく付いている高ズーム倍率の高さを活かした(つもりの)写真も多数撮ってますが、倍率を上げて撮影すると「ここって意外と起伏がある地形なんだな。」とか、「新幹線本線自体もここが勾配になってるんだな。」など、普通にしているとなかなか気付かないことに気付かされることが結構あります。

その原因を考えてみると、単純に地形に合わせて本線自体も勾配となっていたり、逆に本線に勾配を造らないようにしたり、主要道路と交差する部分だけアップダウンにしたり・・・。

今日の写真は、その一例。いつものとおり5月初旬撮影のもの。

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松森トンネルの真上から新青森方面をズームを効かせて撮ったもの。牛館川橋梁他と金浜高架橋、船岡高架橋、荒川橋梁、高田高架橋と、いくつかの工区をいっぺんに望めます。奥に行くと上下にうねるような勾配があり、右へカーブして細越トンネルへ突っ込みます。天候の関係で少し分かりにくいですが、スカイブリッジも見えますね。

ズームしてるのでうねりが強いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は勾配は15‰以内に収まってますし、縦曲線半径も緩く、上下勾配の距離も実際は長いです。だから新幹線の乗り心地については心配なさらないでください(笑)

ちなみに、高架橋が上りになっている部分は、県道が交差します。ちょうど県道付近が少しだけ標高が高く、自動車交通を妨げないようにするために写真のような線形になったと思われます。

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2008年7月13日 (日)

本数の限界

今日は前回に補足する形で、盛岡以北には毎時何本の新幹線が走ることができるのかを考えてみましょう。

結論を先に言うと、盛岡-新青森-新函館は、現行を踏襲し、定期毎時1本と臨時毎時1本の計毎時2本のダイヤ確保が現実路線と考えます。

現在の八戸-東京間の「はやて」は、実はすでに2本/h走行できるようにダイヤがつくられて(スジが確保されて)います。定期1本/hと臨時1本/hですね。

一方、前回述べた通り、北海道新幹線新函館開業時の青函の新在共用区間(現:海峡線)ついてJR北海道は「新在毎時各3本」の走行、つまり新幹線と在来線(主に貨物列車)を毎時3本ずつ走らせることを目標にしています。

さて、ここで注目なのは、新函館開業時、やはりはやてスジ毎時2本分をそのまま北伸すると考えられることと、青函のJR北海道目標の本数とが、差し引き1本しかないことです。

さらにこれもあくまで「目標」に過ぎないので、実際は新幹線が毎時2本しか走行できなくなってしまうかもしれないし、逆に毎時4本とすることも出来るかも知れず、状況が流動的であることも考えなくてはなりません。

その他大宮以南の本数の問題等も含めて、現時点では新青森以南と以北の状況比較をしてみると、「かなり可能性の高いのが毎時2本分のスジ(ダイヤ)確保」ということしか言えないかな、と。

いろいろ分かりにくく述べてしまいましたが、簡単に言うと、あまり多くの列車を走らせられないぞと言うことです。

今回は、昨年の9月に撮った、秘境とも言うべき(?)場所をアップ。八甲田トンネル-駒込川橋梁-田茂木野トンネルです。

Photo

まずこれは、八甲田トンネルの新青森側坑口の緩衝口。思った以上に長く、地形の関係もあって、トンネル本坑口まで写しきれませんでした(笑)

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こちらは某画像掲示板に載せたものと同じ写真ですが、駒込川橋梁。鋼上路トラス橋という種類の橋です。右のトンネルは、田茂木野トンネル。

Photo_3

少し離れた位置から八甲田トンネル-田茂木野トンネルを撮ったものです。このときも結構工事の完成度が高かったので、次回行くのが楽しみですね。

ちなみに、ここはなかなか撮影するのが難しい。撮影するにはどうすればいいか?

それはヒミツです(笑)

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