2017年3月22日 (水)

JR北海道は博多駅を見習うべき~新幹線札幌駅と博多駅との比較

連日ではありますが、今回も北海道新幹線札幌駅問題の話です。

今回は少々性格の悪い話かもしれません。

まず、基本的な話からお浚い。
整備新幹線の駅の設計や建設は基本的には鉄道・運輸機構が行います。つまりは国と自治体の公共事業でやるわけです。

北海道新幹線の札幌駅は国(鉄道・運輸機構)が支持する現役案JR北海道が望む東側案でJR北海道は東側案を追加投資が数百億単位で必要であることを理由に東側案を断念しましたが、これはおそらくJR北海道の自前の建物(自分の資産)に手を入れなければならず、公共事業費が投入できないと考えたからでしょう。

前回記事とそのコメントで述べた通り、新幹線用の駅を造るということであれば鉄道・運輸機構が設計・建設をしますが、北海道新幹線札幌駅というのは、「すでにJR北海道の持ち物」である施設に、「通例であれば施設をJRに貸し付ける側の整備新幹線が乗り入れる」というものです。

ただ、札幌駅絡みの記事やコメントを書いているうちに、少し疑問が出てきました。

同じ「JRの持ち物であるの駅に乗り入れた事例」である、山陽・九州新幹線の博多駅はどうなんだ?

当然調べてみました。答えは意外に簡単です。

いきなりですが、ここで結論。

札幌駅にとって博多駅は結構な部分で参考になるかもしれません。

類似の資料があるはずですが、既設駅舎からの改造の事例で、かつ誰がお金を出したかがわかる資料として、とりあえず下記リンクを。
http://k-keikaku.or.jp/xc/modules/pc_ktech/index.php?content_id=1898

この中で、工事認可時は山陽新幹線として使用していた2面4線をそのまま使うつもりであったところ、山陽新幹線の列車本数が大幅に増えていることと、九州内の新幹線輸送地形に適応したダイヤ設定への適合性の観点から、国から工事実施計画の追加認可を得た、と記載があります。

ちなみに、新幹線の構造物と在来線及び新幹線の配線変更は、設計・施工を鉄道・運輸機構がJR九州とJR西日本がそれぞれ委託しています。

早い話、国がカネを出す根拠が発生すればいい、ということです。

この事例、札幌駅でも適用できるじゃありませんか。むしろ現役案を敢えて飲むべきではありませんか?

鉄道・運輸機構は札幌駅については列車本数の減少は最小限にできるので問題はないと踏んでおり、現在の1番線2番線の転用で押し切ろうとしていますが、JR北海道はイヤイヤ、無理と反発しています。鉄道・運輸機構の言う通り、現駅案そのままでいければそれはそれでよし、ダメなら鉄道・運輸機構が「あ、これは自分たちの判断が間違ってた」として、在来線の重曹高架化もしくは新幹線の地下化の計画を立てさせ、建設費を「整備新幹線の工事実施計画追加認可」という形で国から集ろうという話です。

JR北海道は大丸やJRタワーに手を付けたくなく、列車本数を減らしたくもなく、かつコストを気にしてビビっているというところでしょうが、JR北海道が考えるべきなのは①コストそのものを縮減すること②コストを他社に負担させることなどがあります。
①だけが回避策じゃあありません。

利用者のことを考え、かつ低コストで駅を造るには、こういったずる賢さも必要ですヨ

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2017年3月21日 (火)

やっぱり先見性が無いというしかない~北海道新幹線札幌駅ホーム問題

北海道新幹線札幌駅は未だにどこに造るか決着せず、3月末決着とされていたところJR北海道から「無理」と再度泣き言が出た、という具合で4月になっても決着つかなさそうです。

このままJR北海道がゴネたら、新幹線路盤は手稲トンネル札幌側坑口以東の土木工事ができなくなるんですがねえ

私は、列車本数が減る~とか新幹線ホーム狭い~としているJR北海道に対して、
「新幹線札幌駅の利用者数予測をどのくらいと見積もっているか?」
「他社の運行整理の条件を取り入れてシミュレーションしたか?」
という疑問点を未だに持っています。

ホーム幅はどうするかを後で考えるとして、とりあえずJR北海道にとって最も良いのは、在来線の運行本数を減らさずに新幹線工事ができること、なわけですね?
わかりました。もっともよい解決方法はやっぱりこれです。

大丸デパート、JRタワーを全て解体すること

大丸が年間で600億円以上の売り上げを出したり、JRタワーが純利益23億出しているデータに目を通したうえで言っています。

在来線への支障や大丸とJRタワー解体ががイヤだからゴネるんでしょうが、ではお尋ねします。

新幹線札幌駅、具体的にはどの位置で造るんだ?

ここがまず基本的な疑問です。
地下に1面2線の駅を造るとしても幅は新幹線路盤面だけで25mは必要で、覆工コンクリート圧などを含めると、全体の施工基面幅は30m近くになるのではないでしょうか?
さらにこれを2面4線にするとなれば、駅舎部の最大幅だけでも40mは必要になるので、工事用地などを含めると45mは必要なのではないでしょうか?

そうなると、札幌駅の高架部はもとより、大丸・JRタワーにも支障するし在来線にも支障しませんか?

それともう1つ、わかっていないわけではないでしょうが、いいですか?

地下で工事をするからと言って、地上で用地買収が不要ってわけではないです。土木工事ってのは施工基面幅の用地買収ができれば良いってもんではなく、工事用地も買収あるいは貸借ができなければ工事ができません

また、地下化工事というのは往々にして想定よりも総事業費が上がりがちです。

例として、京王の調布駅付近連続立体交差事業、東急の渋谷駅地下化、小田急の代々木上原-梅ヶ丘間の連続立体交差事業及び複々線化事業、相鉄・JR直通線と相鉄・東急直通線について調べてみました。いずれも地下化、都市圏内・住宅密集地、かつ列車の運休が許されなため運休措置は最小限にしているという事例です。と言っても自分が欲しい数字になかなか行き当らなかったんですが、できるだけ調べてみた結果ということでご勘弁ください。

まず京王
事業延長は京王線約2.8km+相模原線約0.9kmの計約3.7kmで1,149億円。一部報道では1,113億円という数字があります。これが計画時の数字かはわかりませんが、もしこれが計画時の数字だとすると、微増で済んでいます。

続いて、東急
渋谷~代官山地下化事業(約1.5km)で1,581億円。ただしこれは優等列車の10両か対応や車両新造等を含んでいます。これは私個人が悔しい思いをしているところで、東急の単独事業のためなのか、計画時の総事業費が調べきれませんでした。

小田急は連続立体交差事業と複々線化事業(東北沢-世田谷代田間:事業区間2.2km)を同時に行っているので、少々ややこしいです。
連続立体交差事業単独で、665億円が794億円に、
連続立体交差事業と複々線化の総計は、1,258億円→1,400億円(H13)→1,662億円(今年)と、工事が進むにしたがって値上がりしています。

ちなみに、東北沢―和泉多摩川間10.4kmにかけた総事業費は約3,100億円のようです。

さて、相鉄
次の数字は相鉄・JR直通線(約2.7km)と相鉄・東急直通線(約10.0km)の合計の数字ですが、2,739億円の計画から4,022億円となる見通しが公式に発表されています。

このコスト増は材料費や人件費その他だけではなく、工事の進捗により新たに必要とされた追加工事の発生などによるもの。

キロ当たりコストも出してみました。
・京王:310.54億円/km(複線換算で155.27億円/km)
・東急:1,054億円/km(ただ、車両新造その他があるので、実質は1,000億/kmよりも下?)
・小田急:755.45億円/km(複線換算で377.73億円/km)
・相鉄:316億円/km
という具合です。

さて、何故キロ当たりコストも出したか?

新幹線を地下化するには1km以上の距離は確実に必要で、さらにそれに必要な追加費用は200~300億円で済まない可能性を考えていただかなればならないからです。「東側案」のこの数字ですら渋ったJR北海道が、地下化によってさらにコストが膨らんだ場合、それを容認できるの?私はここを疑問視しています。
※通常、整備新幹線建設における新幹線駅はJRはあまり金を出さないが、今回はJR北海道自身が提案しており、鉄道・運輸機構がJR北海道へ費用負担を求める可能性がある。

JR北海道は東側案にしろ今回の地下化案にしろ、しっかり考えた上でモノを言えていない感がものすごくあります。だいたいが大丸とJRタワーが建てられる時ってのは北海道新幹線は整備計画に上がっていたはずで、あとはいつ着工するかわからないだけで、この付近にデカい建物を建てるんならこの将来を見据える必要はあったはずですよ。その将来を否定した結果、このザマです。

一部JR北海道に同情するご意見はこれからも出るでしょう。私自身も経営環境的には同情します。しかし、だからと言って先見性の無さを指摘するのとでは話が別です。
そういうことで繰り返し言わせていただきます。

札幌駅の新幹線駅位置問題は、やはりJR北海道の先見性の無さに問題があったというしかない

長くなりましたが、そういうことです。

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2017年3月15日 (水)

現駅?いやいや地下? 結局どっちよ???~北海道新幹線札幌駅

今回はタイムリーな話題。北海道新幹線札幌駅の位置問題について。

これまでJR北海道と鉄道・運輸機構で現駅と東側案で検討されてきました。

昨日と本日の報道を見ると、JRタワー改修工事のJR北海道自社負担額が高額(一説には200億円)となるのがポイントとなり、現駅で決着しそう・・・・・・・と思ったらなんてこったい、JR北海道が一旦ポシャったはずの地下化案を再浮上させてきました。

何とまあですが、JR北海道さん、何か忘れてませんか?

①:市街地部の地下での鉄道建設は、インフラの保全(電気ガス水道その他諸々)をし、近接する鉄道の列車運行に影響を出さないようにすると、実は逆にコストがかかる。

「近接する鉄道の列車運行に影響を出さないようにする」のは相鉄・JR直通線の開業延期理由とされていることで皆さんご記憶かと思います。ちなみにこれにとどまらず、都市部の鉄道建設はさらに遅れています。立体交差・地下化であれば工事の遅れは当り前。しかも同時にコストアップにもなります。

②:今このタイミングで地下化案というのはJR北海道の都合や希望の色が強く、コストアップ分はJR北海道の負担とされる可能性が考えられること。

今回のドタバタ劇、快速エアポートへの影響を嫌い、小手先で挙げた案のように思えます。

JR北海道は、少々安易に考え過ぎなのではないでしょうか?

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